2014年08月23日

9. 病型ごとのパターン

認知症診断のポイントが問診で症候をみることだとすれば、病型ごとに特徴的な人当たりのパターンを知っておくと、病態の見立てに役立ちます。

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アルツハイマー型認知症:もの忘れで発症するのに対して社会性は比較的保たれるため、もの忘れを受け入れがたく、人目を気にして「取り繕い」の態度がみられます。聞かれたことを思い出せないのは不甲斐ないので、同席する家族のほうを振り返って代わりに答えてもらおうとします(振り返り行動)。取り繕いが言い訳のように聞こえて、まわりくどい印象です。

脳血管性認知症:神経活動が全般的に不活発になるので、返答に時間がかり、じれったい印象を受けます。最小限の返事しか返ってこなかったり、返事をあきらめてしまうこともありますが、考え込んでいる様子がみえていいかげんな印象は受けません。

レビー小体型認知症:幻を見たり、悪い夢を見たり、非現実的な症状が出たり消えたり動揺性もあって、本人も家族も症状に振り回されて狐につままれたような、言葉にならない困惑を示します。あまり取り繕う余裕もありません。緩慢動作、仮面様顔貌といった、パーキンソン症状の外観も重要な症候です。

前頭側頭型認知症:人格の軽薄化により、「我が道を行く」態度がみられ、質問に無関心で考え無精で、いいかげんな会話になりがちです。目についたものに注意が奪われて、上の空で会話を聞き流してしまいます。失語症を主症状とするタイプでは、社会性が保たれている傾向があります。
posted by 御所ヶ谷HC at 12:59| Comment(0) | 認知症の症候学