2015年11月23日

◎ 認知症の危険因子

認知症の予防にも関連する話題として、認知症発症の危険因子について検討してみましょう。

R1.pngところで、みなさんは、認知症の一番の危険因子は何だと思いますか?
正解は、「加齢」です。
右のグラフをご覧下さい。年齢を重ねると認知症有病率が顕著に増加します。95歳以上になると全体の約8割が認知症を発症していることになります。




このように、認知症は、年齢を重ねると誰でも発症する可能性のある病気です。加齢のほかにも、性別(女性)、遺伝子(APOE遺伝子多型)などの危険因子がありますが、これらは予防的介入が困難です。
一方で、生活習慣病が認知症発症の危険因子となることが判明して、認知症予防のための介入が求められています。ここでは、生活習慣病と認知症との関連について検討してみます。



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1. 高血圧と認知症

高血圧は、細動脈硬化症の重要なリスク要因であり、脳動脈が影響を受けると、脳の深部の大脳基底核や視床に小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)が多発します。慢性脳循環不全で神経活動が不活発になり、脳血管性認知症のリスクが高まります。

R2_1.png右のグラフは、九州大学久山町研究で発表されたデータから改訂引用しました (Ninomiya et al. Hypertension 2011; 58: 22-28)。脳血管性認知症発症の相対危険をみたものです。








高血圧の程度が強まるごとに、直線的に脳血管性認知症発症のリスクが高まることが分かります。ここで重要なことは、老年期になっての血圧コントロールよりもむしろ、中年期の高血圧が認知症のリスクになるということです。まだまだ若いうちから、生活習慣病をコントロールしておくことが、認知症予防につながると言えます。

R2_2.png右のグラフも、同じ研究論文からの引用です。
認知症の中でも一番頻度が高いアルツハイマー型認知症に関しては、高血圧はほとんどリスクの増加につながらないようです。





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