2014年08月23日

3. 認知症の診断

認知症の診断のためには、CTやMRIで脳の断層写真を撮影したり、難しいテストを行って得点を計算することで客観的なデータを集めなければならない −−− と思っていませんか?

認知症診断で一番大事なのは、本当は、「問診」です。今困っている症状について、今の生活状況について、これまでの生い立ちについて、話を聞いているうちに病気の問題点が見えてきます。問診での話しぶりや表情や身振り手振りからも、記憶の混乱がないか、会話が整然としているか、麻痺がないか、気分の変調がないか評価できます。3.png実は、診察室に入ってこられるその姿勢や歩調や態度からも、運動失調の有無や症状の受け止めかたが見て取れます。
このように問診しながら得られる情報が、認知症の「症候」です。
実は、認知症診療に慣れてくると、問診だけで8〜9割方は認知症の病型や程度の見当がつくものなのです。

問診によって見立てた診断が間違っていないか、確かめるために心理テストを行います。年齢を重ねて衰えた部分と、まだまだお達者に保たれている部分と、認知機能の変化に特徴的なパターンがないかを客観的に確認します。

認知症の診断は、「認知機能の低下」にともなう生活の破綻が前提なので、画像検査は補助的な位置づけです。ただし、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫など、治療可能な認知機能障害を見逃さないための除外診断として重要でもあります。
posted by 御所ヶ谷HC at 13:05| Comment(0) | 認知症の症候学
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