2014年08月23日

7. レビー小体型認知症の症候学

「レビー小体」が出現する神経変性疾患で、認知症の中で3番目に多い病型ですが、アルツハイマー型認知症の病理変化を併存することが多い傾向があります。病初期には、もの忘れがあまり目立たないこともあります。

レビー小体型認知症では、7_1.png後頭葉から頭頂葉にかけての機能が低下することが特徴です。右図の脳血流シンチでは、対応する部位の血流低下(青〜緑色)を認めます。






右の写真は、7_2.png「レビー小体」の顕微鏡写真です。パーキンソン病でみられる変化と同じものですが、レビー小体型認知症では、この病変が大脳皮質全体に広がります。「αシヌクレイン」という蛋白が、神経細胞の中に異常に凝集して形成されます。






側頭葉から7_3.png頭頂葉の障害がみられるアルツハイマー型認知症に比べ、レビー小体型認知症では機能低下が後頭葉にまで及ぶので、視覚処理にまつわる症状が著明に現れるのが特徴です。パーキンソン病と同じく、脳幹の病理変化も顕著にみられます。右図のような病変の広がりから、以下のような症候が現れます。



後頭葉〜側頭頭頂葉
•幻視、錯視:いないはずの人や動物が見える(幻視)、カーテンや家具の模様が人の顔や虫のように見える(錯視)。かなりリアルで繰り返されるため、不安感をあおられることが多い。

•視空間認知障害:アルツハイマー型認知症よりも相対的に高度に障害される。ものがゆがんで見える、椅子にまっすぐ座れないということもある。着衣失行も見られる。


脳幹・自律神経
•パーキンソン症状:身体のふるえ、こわばり、歩行障害(小刻み歩行)。動きが鈍くなり、転倒しやすい。

•症状の変動:はっきりと覚醒して真っ当な受け答えをする時もあれば、ぼんやりして注意力が低下して、夢うつつの状態になる時もある。意識レベルの変動が背景にあると考えられる。睡眠リズムにも影響が現れ、睡眠時行動異常(寝ぼけ、夢遊病)をきたすことがある。

•自律神経症状:便秘、失神発作が見られることがある。
posted by 御所ヶ谷HC at 13:01| Comment(0) | 認知症の症候学
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