2015年11月22日

3. 高脂血症と認知症

高脂血症は、粥状動脈硬化の重要なリスク要因であり、比較的太い脳動脈が影響を受け、広範囲な脳梗塞をきたす脳血栓症のリスクを高めます。また、大動脈や頸動脈にできたアテローム血栓がはがれて血流に乗って、脳血管に詰まる病態を脳塞栓症と言い、急性の脳卒中の原因となります。したがって、高脂血症もまた、脳血管性認知症のリスク要因になることが知られています。

さらに、コレステロール代謝異常は、変性疾患であるアルツハイマー型認知症の病理変化の一つである「老人斑」の出現と関連していることが確認されました。

R4.png右のグラフは、九州大学久山町研究で発表されたデータから改訂引用しました (Matsuzaki et al. Neurology 2011; 77: 1068–1075)。老人斑出現の相対危険をみたものです。






棒グラフが3本あるのは、3通りの調整の仕方で解析したものを表していますが、いずれにしても総コレステロールや悪玉(LDL)コレステロールが一定の値を超えると、老人斑形成のリスクが高まることが分かります。一定の値というのは、ちょうど健康診断で異常値として指摘される数値と同等です。
このデータセットにおいては、アルツハイマー型認知症の発症リスクとコレステロール代謝との直接の関連を見出すことはまだできていません。ただ、認知症につながる可能性がある「老人斑」のシミが沈着するのを防ぐためにも、高脂血症のコントロールを十分に行っておく意義があるでしょう。

posted by 御所ヶ谷HC at 23:51| Comment(0) | 認知症の危険因子
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: