2015年11月22日

4. 喫煙と認知症

喫煙は、生活習慣病の大きなリスクの一つです。ここまで、生活習慣病が認知症の発症につながる可能性をみてきましたが、喫煙そのものも認知症発症の危険因子であることがわかっています。喫煙による酸化ストレスは、動脈硬化症と関連して血管性病変につながりますし、神経変性の進行にも悪影響を及ぼします。喫煙にともなう一酸化炭素ヘモグロビン血症も認知機能低下のリスク要因です。


R5_1.png右のグラフは、九州大学久山町研究で2015年に発表されたデータです (Ohara et al. J Am Geriatr Soc 2015; 63: 2332–2339) 。中年期から老年期を通じて喫煙していた場合、脳血管性認知症を非喫煙者より2.88倍発症しやすいという結果です。






R5_2.png喫煙は、アルツハイマー型認知症のリスクも1.98倍高めることが示されました。データは、高血圧の有無や耐糖能異常、総コレステロール値で補正されていますので、生活習慣病の影響を除外して、喫煙そのものの影響を示しています。ここで重要なことは、脳血管性認知症もアルツハイマー型認知症も、中年期に喫煙していてもその後禁煙するとリスクを低減できるということです。


健康寿命を長く保つためには、禁煙を推進することが疫学的にも重要であることが端的に示された研究報告です。

posted by 御所ヶ谷HC at 23:45| Comment(0) | 認知症の危険因子
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